殖える

公演情報

公演日時
2024年12月14日(土) 14:00~ / 19:00~
2024年12月15日(日) 13:00~ / 18:00~

会場
おぐセンター2F
(東京都荒川区西尾久2丁目31-1)

当日パンフレットあいさつ

本日はご来場ありがとうございます。今回、戯曲を書いた散策者の長沼です。
自分の書いた長編戯曲が上演されるのは初めてのことで、それを皆さんに見ていただけること、大変嬉しく思います。

数日前に久々に米を炊こうと思って、玄米と白米をざるに入れて洗っていると、水にぷかぷかと細い線みたいなものが浮かび上がってきました。そうです、虫です。米に湧くという虫。原因は明白で、全く密閉されてない袋に入れたまま、外に放置しているからです。米びつは買ったけど、部屋のどこかに転がっています。怠惰な生活。

うちの米は福島の農家から直接取り寄せている結構いい米なので捨てるのも忍びないし、でも天日干しとかする時間もないし、てかもう洗っちゃってるし、ってことで、水を何回も変えながら浮かび上がった虫をその都度捨てて、えいままよ!と炊飯器のスイッチを入れました。虫の炊き込みごはんです。

なんの権利があって僕は虫を溺死させ、その挙げ句に熱しているんでしょうか。
きちんとした生活を送ることは他者を守るための義務なんでしょうか。

『殖える』はこういった自分の生活実感に端を発したフィクションです。

たくさん詰め込んだら長くなっちゃったんですけど、適度に身体をほぐしつつ、最後までお付き合いいただければ嬉しいです。

散策者 長沼航

あらすじ

舞台は、架空の街・武蔵小麦。木造アパートに住むフリーター・中沼亘は散らかった部屋で日々を過ごしていた。ある日、帰宅すると部屋に一匹のゴキブリ(G)がおり、中沼は恐れおののく。しかし、そんな生活を続けていると、便利屋の長尾が現れ、ゴキブリをあっさりと殲滅してしまう。失意に沈む中沼がぼんやりと過ごす中、一本の電話がかかってくる。「そんな魔窟から一歩踏み出して、私たちの家へ、いらっしゃい。」

電話の相手は、みつぴし不動産レジデンスの社員・赤澤優佳。彼女が売っているのは、建築家・熊ケンゴロウが設計したタワーレジデンス。しかし、それはただの建物ではなく、人間の排泄物や分泌物を栄養源とし、まるで生き物のように成長していく不気味な存在だった。

棚田悠ノ介は赤澤のもとで仕事に邁進しているも営業成績は芳しくなく、赤澤から受けた助言をもとに生活を変えていく。パートナーの浜はそんな棚田の変化をよそにヒルナンデスを見ている。ヒルナンデスは面白いよ、あんまり面白くないところがかえって面白い(by 浜)。

タワーレジデンスを中心に人間と非人間の生が交錯するなか、人々の生活は思わぬ方向に進展していき……。

登場人物(役者)

中沼亘(長沼航):フリーター
長尾幸二郎(中尾幸志郎):便利屋
赤澤優佳(岡澤由佳):みつぴし不動産レジデンス社員(上司)
棚田悠ノ介(田中優之介):みつぴし不動産レジデンス社員(部下)
浜すずめ(原涼音):棚田のパートナー
G(岩下拓海):中沼家の居候

熊ケンゴロウ:有名建築家

当事者の会の人々

記録写真

撮影:m.yoshihisa

クレジット

出演:岩下拓海、岡澤由佳、田中優之介、中尾幸志郎、長沼航、原涼音

戯曲執筆:長沼航
上演台本作成:中尾幸志郎

観察・コメント:明源
舞台美術:明源、中尾幸志郎、長沼航、原涼音
照明:田中優之介
音響:中尾幸志郎
小道具設計:明源
小道具:田中優之介、原涼音
音楽・映像:中尾幸志郎、長沼航
記録映像:佐野大
記録写真:m.yoshihisa
宣伝美術・Webサイト:長沼航
広報:岡澤由佳
制作:田中優之介
当日運営:白石ころ

助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【東京ライブ・ステージ応援助成】

スペシャルサンクス

円盤に乗る場
おぐセンター
喫茶みつる
木村玲奈
劇団綺畸
劇団コギト
シアターマーキュリー
死なずに死ぬ方法
野口瑞貴
森下怜