岩下(がん)・岡澤(ゆか)・田中(たなか)・中尾(なかお)・長沼(ビリー)・原(すずね)の6名が、西尾久を散策した経験をもとに、パフォーマンス作品をつくります。この作品は、6名が西尾久を観察し、取材の対象を決め、身近な環境を取材し、試しにつくったものから構成されます。
(B)先週末、京都で小学校の幼なじみがビリヤニの出前を頼んでくれました。彼はチキンビリヤニを、僕はベジタリアンビリヤニを食べました。美味しかったです。彼がハニーティーでチャイ風の飲み物を淹れてくれて、それを豆乳で割って飲みました。これはまあまあでした。
何を食べたいか、食べてほしいか。何が美味しいか、美味しくあってほしいか。何を覚えたいか、忘れたいか。何を見たいか、見たくないか。
(Y)毎週、朝8時に勤務開始の日があります。時間がなさすぎてもちろん朝ごはんは食べれないのですが、すると11時には結構な音量でお腹が鳴ります。鳴らしたくて鳴らしているわけじゃないのに静かなオフィスで明らかに響いてる。それでも誰にもお腹鳴ってるねと指摘されたことはありません。むしろ指摘されたいような、やっぱり黙っていてほしいような、なのに自分から話題にしちゃうような。適切な振る舞いを今日も思考します。
(N)オフィスチェアに腰掛けて仕事をしている間、すっかり忘れてしまわれている手足や内臓、その他の肉や骨たちのことを考えてみる。あなたが頭痛に苦しんでいるとき、前腕や足指のことはきっと忘れているが、それらも同時に隣り合ってあなたの体であるし、全体の”姿勢”が悪くなることで頭痛は引き起こされるのだ(意訳)、と整体の先生が言っていた。
(T)西尾久を歩いていると、隣り合った二軒の家の間の、数十センチほどの隙間に簡単な木戸が設けられている光景をよく目にします。
「あれはどちらが建てようと言い出したもので、どちらに所有権があるのか」と気になりますが、隣に住み続ける両家にとってはそんなことは考える意味のない疑問なのかもしれませんし、私もそういう結婚をしたいと思っています。
(S)同じ釜の飯を食うことって本当にありますよね。自分は食べることを中心に世界を回しているんだなっていう、そういう感覚です。お腹が空いたらイライラするし、そうやって同居人にも当たっちゃったりするの、やめたいです。常に空腹に支配された、タコ、おたんこなす。
(G)ガードレールのポールの上にスミノフが置かれていて、オッと思う。カメラに収める。 雨の路上に、新鮮なトマトが落ちていて、振り返る。文章にしたためる。
図書館に行って、軟水と硬水の違いを知る。みんなに共有する。
試しに作ってみる。人のと組み合わせる。あなたの前でやってみる。
クレジット
出演・構成:岩下拓海、岡澤由佳、田中優之介、中尾幸志郎、長沼航、原涼音
協力:貸民家プライベイト(Post Passion Fruits)、庄島明源
2023年6月23日(金)~ 2023年6月25日(日) 於 おぐセンター